高校卒業後はそれなりに難易度の高い大学への進学を希望しているのに定期考査での言語科目(英語と国語)の成績は50点とか60点でパッとしない。こんな状況の高校生(中学生も)は意外に多く、友達にはかっこつけて平気そうな顔をしていながら内心では胸を痛めているのです。
このような状況で本塾に入塾してくる青少年に英語や古典の教科書を読んでいただくと、予想通りアルファベットはもちろんのこと漢字含みの古文も音読がままならないというのがお決まりのパターンです。教科書を読むことができるというのは基本中の基本ですが、それができないのは普段から教科書を開くという行為、つまり学習習慣そのものが脆弱だということに尽きるでしょう。
本塾では「発音できない言葉はその意味も覚えることはできない」という前提に立っています。卵が先か鶏が先かといわれるかも知れませんが、とりあえず原初的な行為はその他すべての行為に先立つという考えに立つことにしています。もちろん丸暗記しなさいといっているのではありません。ある程度音読できるようにしておけば、その後のさらに踏み込んだ高度な学習や指導が容易になるということです。
読めるようになればそれ以降はきちんとした学習手続きを踏めばほぼ確実に成績は上昇します。個人差があるとはいえ40点から60点の幅は70点から90点の幅へと上がります。それでも成績が上がらないときは「机に向かう」「教科書とノートを開く」「手に鉛筆を持つ」という行為が内実を伴わないただの「ふり」になっているときです。自分に対して真摯になれるかどうかという学習以前の人間としての姿勢の問題だと思います。
もちろん通塾するというのもひとつの方策です。どこの塾でもいいとは言いませんが、たとえばフランチャイズの学習塾で大学生講師の指導を受け成績が上がらず本塾に転塾してくる塾生さんたちがいます。これらの生徒さん達に構造理解と合わせて音読指導を行い、その後は手順を踏んで学習を進めると、入塾以前の50~60点という成績がほとんどの場合80~90点へ上がります。入塾直後の定期考査では無理でもその次の考査であればほぼ可能です。やみくもに塾教材などというものに手を付けなくても良いのです。学習者のもっとも身近にある教科書ですから、そこから作業を進めるのがもっとも手っ取り早いでしょう。
さあみなさん、教科書を開きましょう。辞書を開きましょう。胸を張って電子辞書を開きましょう。紙辞書でなきゃいけない理由なんてありません。音声教材をダウンロードしましょう。そして声に出して文章を読むことを始めましょう。それをうるさいなんていう家族はいません。勉強をやってやろうじゃありませんか!